学生フォーミュラとは?
学生フォーミュラとは、学生がフォーミュラスタイルのレーシングカーを製作し、
一年に一度自動車技術会主催で行われる大会にむけ、その順位や得点を競う学生版のF1レースです。
細かなレギュレーションに沿ったマシンを造り上げ、大学、専門学校対抗で競う、ものづくり重視の大会です。
学生だけの力だけではとても賄いきれない資金・部品などの問題を解決すべく、
所属学校・スポンサー様などにも金銭的・物的などの形で支援して頂きます。
各機関・企業様の各種協力の下、学生だけで企画・設計・製作などすべてを行います。
大会では車の走行性能はもちろんのこと、排気量610cc以下のエンジン・車輌の製造コスト325万円以下
などの細かなレギュレーションの中、車両コンセプト・設計・コスト審査・Webデザインまで、
ものづくりの総合力を競い、それで培われたものづくりの本質・プロセスを学ぶとともに、
チーム活動やものづくりの厳しさ、面白さ、喜びを実感できる。
そんな 環境づくりを通じて、創造性に満ちた技術者の育成を目指し、
1981年SAE International主催により米国で開催しました。
そして、日本では2002年より開催されています。
大会競技内容と得点采配
競技には大きく分けて2つあり、 動的イベントと静的イベントがあります。
簡単に説明しますと、静的イベントではマシンを造り上げる上での内面的なものを発表し、審査されます。
動的はその名の通り、 マシンを操り順位を争う競技です。
しかし、動的イベントを行うためには車検に合格しないといけません。
この車検も、なかなかの難関なのです。
イベント | 競技内容 | 得点 |
静的(325点) | コスト審査 | 100点 |
デザイン審査 | 150点 |
プレゼンテーション | 75点 |
動的(675点) | アクセラレーション | 75点 |
スキッドパッド | 50点 |
オートクロス | 150点 |
エンデュランス | 300点 |
燃費 | 100点 |
総合得点 | 1000点 |
コスト審査
一台車両を造り上げるのに必要な製造コストと製作コストを計算し提出する審査です。
製作コストとは材料費などで、ネジ一本も含まれます。
製作コストとは学生フォーミュラ独特のコスト審査で、ルールによって、穴あけ一箇所、溶接一箇所まで
一つ一つの工程に対する金額(要は人件コスト)が細かく決められています。
ランニングコストを、無駄なく製作することが高得点を狙う秘訣になります。
デザイン審査
デザインとは、もちろん見た目もそうですが、 重要になってくるのが車両のコンセプトです。
どのような技術を採用し、どのような工夫をしているか、
またその採用した技術が市場性のある妥当なものかを評価されます。
具体的には、車体および構成部品の設計の適切さ、革新性、加工性、補修性、組立性などです。
この審査では、用意した資料、ボードを用い、審査員に質疑応答しながら進んでいきます。
プレゼンテーション
実は、この大会の学生フォーミュラの趣旨として
市場にターゲットを決め、そのターゲットに合った車両を造るというシュミレーションになっています。
そしてその内容を審査員に口頭発表していきます。
審査員に自分達のマシンを売り込み、納得させることが高得点を狙う秘訣です。
アクセラレーション
0−75mのドラッグタイムアタックです。
ドライバー1人につき2本まで走行することが出来ます。
2人で合計4本まで走ることが出来ます。
スキッドパッド
8の字コースによるタイムアタックです。コーナリング性能評価です。
2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行できます。
オートクロス(ジムカーナ)
直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約550mのコースを2 周走行するタイムアタックです。
各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行できます。
次のエンデュランスは、このオートクロスの早いチーム順に走行します。
エンデュランス・燃費
合計22kmのレース競技です。コースはオートクロスとほぼ同じです。
11kmでドライバーを1度交代します。完走しないと得点を得られません。
この競技で、全体性能と信頼性が問われます。
このイベント中に消費した燃料から、燃費が計算され加点されます。